豊浜トンネル岩盤崩落
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豊浜トンネル岩盤崩落

豊浜トンネル古平側坑口の岩盤崩落箇所.崩落した岩盤は既に除去されている.崩落剥離面上部に地下水の湧出部があり,上部層と中部層の境界にあたる.1996年3月.【写真: 川村信人】
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崩壊箇所の全体像と剥離面の調査状況.クレーンの高さは約100m.左に見える覆道は旧トンネルの入口である.この時は旧トンネルで交通を確保しつつ,崩壊面の詳細調査を行っていた.1996年3月.【写真: 石井正之】
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海上から見た復旧後の旧豊浜トンネル古平側坑口.この背後に新トンネルが開通し,陸側から現場にアクセスすることは出来なくなっている.左がチャラツナイ岬.ハイアロクラスタイトはゆるく傾斜し,大規模な斜交成層をなしている.2001年6月.【写真: 川村信人】
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【写真: 】
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積丹半島を走る国道229号豊浜トンネルの古平側坑口で1996(平成8)年2月10日午前8時過ぎに大規模な岩盤崩落が発生した(写真1).この岩盤崩落に通行中の路線バスと乗用車が巻き込まれ20名が犠牲となった.岩盤崩落の規模は,高さ約70 m,幅約50 mとされている(豊浜トンネル崩落事故調査報告書,1996). 岩盤崩落が発生した海食崖の高さは150 mあり,上部層・中部層・下部層の3層に区分されるハイアロクラスタイトからなる.崩落したのは中部層にあたる部分である(写真2).岩盤に内在する構造地質学的な成因を持つ亀裂が,地下水の影響や自重・氷結圧などによって進展することによって崩落が発生したものと考えられる.この不幸な事故以来,北海道では特に国道の安全性が大きく見直され,さまざまな対策が取られた結果,道路防災は大きく前進した.しかしその後もいくつかの事故が起きているように,岩盤崩落など斜面災害の予知予測は十分なものにはなっていない. 現在は旧トンネルの背後に新しい豊浜トンネルができているので,崩落現場を道路から見ることはできない(写真3).現豊浜トンネル古平町側坑口の海側に防災記念公園があり,そこに慰霊碑が建てられている.

【執筆者:川村信人・石井正之】

所在地

古平町 チャラツナイ岬付近(旧国道229号線)

参考文献

北海道開発庁,1955,5万分の1地質図幅「古平・幌武意(札幌-9,2)」および同説明書.38p.
豊浜トンネル崩落事故調査委員会,1996,豊浜トンネル崩落事故調査報告書.