八雲鉱山跡と温泉
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桜色の菱マンガン鉱

八雲鉱山跡と温泉

八雲鉱山選考場跡 【写真: 加藤 孝幸】
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八雲鉱山溶鉱炉跡【写真: 加藤 孝幸】
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稼行当時の八雲鉱山の地図【写真: 成田 智】
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八雲鉱山の菱マンガン鉱【写真: 柴田 信一】
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八雲鉱山の歴史は北海道ではきわめて古く1674年(延宝2年)遊楽部鉱山の採鉱に着手し,銀・鉛・金を産した,といわれる.ユーラップ川支流の鉛川をさかのぼり,現在のおぼこ荘の奥2kmにあった.1863年(文久3年)にアメリカ人鉱山技師のパンペリー氏が,日本の鉱山の歴史上はじめて,八雲鉱山で火薬による発破(注 ダイナマイトではない)を使用した.1968年(昭和43年)に閉山となった.

マンガンの他,鉛・亜鉛・硫化鉄も採れたほか、銀も採っていた可能性がある.八雲鉱山のマンガン鉱は美しい桜色をした菱マンガン鉱(MnCO3)で,上国鉱山や積丹半島の稲倉石鉱山などと並んで有名である.マンガン鉱脈は八雲層の硬質頁岩層を貫く,変質した安山岩やデイサイトに沿って発達する破砕部を埋めている.このような鉱床は浅熱水性鉱脈鉱床と呼ばれている.八雲鉱山の鉱床生成年代は約130万年前(第四紀)とされる.

稼行当時の八雲鉱山の地図を示すが,この図の「第二温泉」が現在のおぼこ荘で,その奥は現在ほとんど何もないが,吊橋の手前のかつて「物資配給所」とされていた場所に駐車し,そこから約1km歩くとかつての「採鉱現場」に至る.ここで表面が酸化し黒色となった菱マンガン鉱のズリを観察できる.

八雲鉱山をつくった火成活動は現在も地熱地帯としてその名残を留めており炭酸ガスと鉄分に富む温泉が所々に湧出している.

【執筆者:加藤孝幸・三浦孝一・成田 智】

所在地

八雲町 鉛川

参考文献

「遊楽部鉛山中山鋪落図」 文久2(1862)年:函館中央図書館.
Watanabe,Y.(1991):Mining Geol., 41, 141-146.
地学団体研究会道南班 編(2002):「道南の自然を歩く-改訂版」.北大図書刊行会.