タービダイトとスランプ層
後静海岸の根室層群
浜中町後静(しりしず)から砂浜に出ると,東側に見事な海岸露頭が見える(写真1).砂浜を歩いて近寄ってみると,露頭を作っているのは,リズミカルに互層した砂岩と泥岩で(写真2),砂岩は級化しておりタービダイトであることが分かる.この地層は,根室層群の厚岸層で,時代は白亜紀マーストリヒト世~古第三紀暁新世のものである.
この露頭の上部を見ると,層理面が食い違っていたり,局所的に褶曲しているのが分かる.スランプ構造である.写真1の岬の突端にも大規模なスランプ構造が見える.厚岸層は,根室層群の中でも特にスランプ構造がよく発達している地層であり(君波,1990).構造的に活発な堆積場を想起させる.
所在地
浜中町 後静
参考文献
君波和雄,1990,根室帯・釧路-根室地域.日本の地質『北海道地方』,43-45,共立出版.