周氷河作用で形成された新第三系の”噴水”状の構造
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凍結融解による岩盤の流れ褶曲とテフラの流動

周氷河作用で形成された新第三系の”噴水”状の構造

露頭の全景.テフラは下位から,Kt-1・Spfa-1・En-a・Ta-aと推定される.En-aより下位には,尾根と谷からなる旧地形面が伏在している.追分層の表層部は旧地形面に沿って変形している.【写真: 太田勝一】
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追分層の表層部が,旧地形の尾根を境に左右反対方向に褶曲しており,”噴水”状の形態を呈している.表層部以外は写真の左側が上位の同斜構造であり,尾根の頂部にも向斜構造は認められない.【写真: 太田勝一】
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褶曲軸面は旧地形面に平行で,旧地形の傾斜が大きい部分では翼間角が小さいが,傾斜がゆるくなるにつれて開いてくる.Spfa-1とKt-1の風化部には,流動変形を示すローブ構造が認められる.【写真: 太田勝一】
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表層の褶曲部には,層理面沿いのすべり変位や褶曲軸沿いのせん断変位は認められない.連続的に変形していることから,塑性流動による流れ褶曲と考えられる.【写真: 太田勝一】
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露頭は,馬追丘陵の中央部に位置するケヌフチ川左岸の土取場である.新第三紀中新世の追分層と第四紀の降下テフラからなる.テフラの詳細は不明だが,下位からクッタラ第1(Kt-1)・支笏第1(Spfa-1)・恵庭a(En-a)・樽前a(Ta-a)と推定される.丘陵表面は起伏が少ないが,En-a(約2万年前)より下位には尾根と谷からなる旧地形が伏在している.

追分層は約70°に急立した砂岩・礫岩互層からなる.追分層の表層部は,旧地形の尾根を境に左右反対方向に褶曲しており,”噴水”状を呈している.ただし,追分層本体は写真の左側が上位の同斜構造であり,表層以外に褶曲構造はない.

褶曲部は連続的に変形しており,塑性流動による流れ褶曲と考えられる.褶曲軸面は旧地形面に平行である.また,追分層の直上のKt-1とSpfa-1には,流動を示すローブ構造がある.これらの成因は,最終氷期の周氷河環境下での凍結融解と重力変形と考えられる.

また,露頭近傍に南長沼断層と泉郷断層があり,追分層はこれらのスラスト運動に伴い急立したと考えられる.泉郷断層はEn-a堆積前の約2.5万年前に活動したとされており,流動変形はその影響を受けている可能性もある.

【執筆者:太田勝一・最終間氷期勉強会】

所在地

千歳市 協和

リンク

地震調査研究推進本部石狩低地東縁断層帯の長期評価の一部改訂について

参考文献

最終間氷期勉強会(2007)2007年巡検資料.
地震調査研究推進本部(2010)石狩低地東縁断層帯の長期評価の一部改訂について.

 

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