様似町冬島の穴岩
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冬島の地名の由来となった大穴

様似町冬島の穴岩

穴岩:標高は10mちょっとである.説明版の右に高さ2.5mほどの穴が見える.場所は冬島漁港の西端である.【写真: 石井 正之】
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穴岩の表面:泥質岩の細互層である.黒雲母が形成されていて全体に黒っぽくなっている.岩石名としてはホルンフェルスである.【写真: 石井 正之】
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様似町冬島漁港に穴のあいた岩がある.波の浸食で造られた海食洞である.1948(昭和23)年に漁港造成のために埋め立てられる前は高さ9mの大きな穴で,満潮の時には磯舟がこの穴を通ることだできたと言う.この大岩は,砂岩・泥岩互層が地下深部で高温にさらされて変成作用を受け,黒雲母が形成されホルンフェルスになったもので、変成前の堆積構造が残っている.ジオサイトなのでハンマーで叩かないように.

この穴岩を構成する地質は冬島変成岩類と呼ばれ,東西ともイドンナップ帯のメランジュと断層で接し,南で分布が狭くなる逆三角形の形で分布している.北の分布限界は様似川上流である.冬島変成岩類の全体の原岩は,海洋起源砕屑物の上に海溝充填物や前弧海盆堆積物などの陸源性砕屑物が堆積したものと考えられている.穴岩付近はその中で泥質岩の多い岩相で,主要変成鉱物は,ざくろ石-黒雲母である.

冬島変成岩類の岩片と推定されるものが,古第三紀漸新世の紅葉山層の流紋岩質凝灰岩中に含まれていて,北海道中央部の古第三紀テクトニクスを考える一つの鍵になるとされている.

なお,冬島の名前の由来は「プョシュマ」(プイ・オ・シュマ:pui-o-shuma 穴・ある・岩)とされている.

【執筆者:石井 正之】

既存の指定など

日高山脈襟裳国定公園(1981年10月1日指定)

アポイ岳ジオパーク(日本ジオパークネットワーク:2008年認定)

所在地

様似町 冬島

参考文献

川上源太郎・川村信人・在田一則(2002)漸新統紅葉山層の流紋岩質凝灰岩中に見い出された変成岩片とその意義 : 北海道中央部の古第三紀テクトニクスに関連して.地質学雑,108(4),235-247.
様似町(2010)アポイ岳ジオパークガイドブック.94p.
三浦路子・豊島剛志(1999)北海土井イドンナップタイ南部に分布する冬島変成岩類の岩石学的構成と変形.地質学論集,第52号,83-102.
山田秀三(2000)北海道の地名ーアイヌ語地名の研究 別巻.340p.草風館.