北海道南西沖地震で岩盤崩壊多発
奥尻島の米岡層
米岡層は奥尻島の西海岸の青苗から鴨石トンネルにかけて分布する後期中新世から鮮新世の地層である.南部の青苗付近では塊状・凝灰質な珪藻土質シルト岩(シルト岩部層)を主体とするのに対し,千畳浜浜付近から北では輝石安山岩質ハイアロクラスタイト(火砕岩部層)が主要な構成地質である.
ホヤ石岬付近を中心に分布する火砕岩部層は,1993年7月12日の北海道南西沖地震の時に各所で岩盤崩壊を起こした.特に,ホヤ石から北の道路沿いに続く100m以上の高さのある一連の崖での崩落が激しく,地震の震動によるジグゾークラックが発生した落ち残りの岩体も見られた.
現在は危険な岩塊の除去が行われ,安定した斜面となっている.
所在地
奥尻町 米岡
奥尻町 湯浜
参考文献
地すべり学会北海道支部編(1997)地震による斜面被害 1993〜1994年北海道三大地震から.北大図書刊行会,253−257.
日本地質学会編(2010)日本地方地質誌1 北海道地方.朝倉書店,179-180.
秦 光男・瀬川秀良・矢島淳吉(1982)地域地質研究報告 5万分の1図幅「奥尻島北部および南部地域の地質」.地質調査所,14-17.