オダッシュ山周辺の山麓緩斜面
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氷期の名残の斜面

オダッシュ山周辺の山麓緩斜面

オダッシュ山北東の山麓緩斜面:中央やや右の山頂がオダッシュ山で,その裾を道東道が通っている.右手前が狩勝第二トンネルの帯広側坑口で,左の短いトンネルは広内トンネルである.右の木の生えていないところは串内牧場の牧草地である.左側の薄緑色の牧草地が山麓緩斜面の典型的な部分である.【写真: 石井正之】
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佐幌川支流のイワシマクシュベツ川の道々北清水清水線起点付近から見た山麓緩斜面:中央左に道東道のボックスカルバートと橋梁が見える.一面の牧草地の平均傾斜は3.6°である.【写真: 石井正之】
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佐幌川支流パンケ新得川の支流九号川上流の山麓緩斜面:右側に山麓緩斜面がある.左の樹木の生えているところは九号川の流路である.送電線のための伐開によって地形が良く分かるが,電子地図では送電線は表示されていない.【写真: 石井正之】
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中新得川上流の新得駅逓所跡からみる山麓緩斜面:この付近の平均勾配は5.3°である.左に中新得川が流れていて,この道路は沢の間の尾根状の部分に付けられている.左に新得駅逓所跡の説明版がある.遠くに白く見えるのは新得市街である.【写真: 石井正之】
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道東道・第二狩勝トンネルの十勝側坑口付近は,典型的な山麓緩斜面である.オダッシュ山の北東山麓では道東道とJR根室線間の斜面は平均勾配6°,JR根室本線の間の斜面は約3°の平均勾配となっている.2万5千分の1地形図を見ると斜面に刻まれている沢と沢の間の等高線が斜面下側に凸になっている.これは山麓緩斜面の典型的な特徴である.

1907(明治40)年に旧狩勝線が開通するまでは,山麓緩斜面沿いに帯広から旭川へ抜ける石狩道路が通っていた.

なお,山麓緩斜面(ペディメント:pediment)というのは,一般的には,「急斜面の前面につくられる浸食平坦面で,乾燥地域の山麓斜面によく発達する基盤岩を切る緩斜面」(新版地学事典,1187b)である.しかし,このジオサイトで言う山麓緩斜面は,最寒冷期であるステージ2(約2万年前)以前に形成された緩斜面で,面的な凍結破砕・凍結融解作用によって土砂が浸食・運搬されて形成された周氷河性斜面のことである.

【執筆者:石井正之】

所在地

新得町 新得

参考文献

小疇 尚・福田正巳・石城謙吉・酒井 昭・佐久間敏雄・菊地勝弘(1994)日本の自然 地域編1 北海道.岩波書店,114ー116.
日本地質学会編,(2010)日本地方地質誌1 北海道地方.朝倉書店,282-285.