ウェンザル林道のポロシリオフィオライト帯
支庁マップ 網走支庁 根室支庁 釧路支庁 十勝支庁 日高支庁 胆振支庁 渡島支庁 檜山支庁 後志支庁 石狩支庁 空知支庁 上川支庁 留萌支庁 宗谷支庁

 

icon_gaku 術的に重要な地質・地形

独特なbase_kei 観をつくる地形・地質

icon_san 業活動と地域生活

その他の「地質icon_i 産」

 

category_volcano category_tectonics category_sedimentology category_geography category_engineering category_mineral category_fossil category_archaeology category_shaped-rock

 

候補サイト 全リスト

リスト一覧

更新されたサイト

 

リンクについて

このページへのリンクは自由です.なお,公開されている記事・写真についての引用等は著作者の了解が必要ですので,必ず御連絡下さい.
リンク元として以下のバナーをご使用ください.
Hyakusenbannar

 

SpryLicence

 

Powered by Lightbox v2.04

沈み込み帯近くの海嶺で形成された海洋リソスフェア

ウェンザル林道のポロシリオフィオライト帯

奥沙流ダムから望むペンケヌーシ岳:左のピークがペンケヌーシ岳(標高1,750m)で,その右の鞍部付近を日高主衝上断層が通っている。ペンケヌーシ岳は,日高変成帯の斑れい岩で構成されていて鞍部付近にかんらん岩,その右の緩やかなピーク付近がポロシリオフィオライト帯である。【写真: 石井正之】
次の写真

日高変成帯とポロシリオフィオライト帯:手前(上流側)の露頭が日高変成帯のかんらん岩で,突き当たりの露頭がポロシリオフィオライト帯の角閃岩である。電柱付近の沢状地形が日高主衝上断層の位置になる。【写真: 石井正之】
前の写真 次の写真

ポロシリオフィオライト帯の角閃岩:ここでは,片理の発達が顕著である。【写真: 石井正之】
前の写真 次の写真

緑色普通輝石角閃岩:黒い角閃石と白い斜長石が片理を形成している。ポロシリオフィオライト帯の変成相は,変成度の低い順にA〜Dに分けられていて,日高変成帯に近い方が高変成度となっている。この露頭は,ポロシリオフィオライト帯C帯〜D帯に属する。【写真: 石井正之】
前の写真

西のイドンナップ帯と東の日高変成帯に挟まれた地質体が,ポロシリオフィオライト帯である。南は新ひだか町静内川上流から,北は日高町沙流川上流まで延長約60km,東西の幅は1〜4kmである。全体としては,厚さ約6kmの海洋地殻である。

ウェンザル林道は国道274号の標高約600mの地点から沙流川支流の二ノ沢に沿って南下し,ウェンザル川上流の奥沙流ダムに到る林道である。この林道沿いにポロシリオフィオライト帯と日高変成帯の境界が分布する。ポロシリオフィオライトの典型的な岩石は,奥沙流ダムから直線距離で約1.5kmの南に凸のカーブで見られる。緑色普通角閃石角閃岩で片理が発達している場合が多い。

この露頭の300mほど東(上流側)には,日高変成帯のかんらん岩の露頭がある。つまり,この間に日高主衝上断層が通っていることになる。5万分の1地質図幅「千呂露」も20万分の1シームレス地質図も,ポロシリオフィオライト帯の境界は現地と異なっている。

【執筆者:石井正之】

既存の指定など

日高山脈襟裳国定公園(1981年10月1日指定)

所在地

日高町 千栄

参考文献

宮下純夫,田中真二,2010,4.2 ポロシリオフィオライト帯.日本地質学会編「日本地方地質誌1 北海道地方」,118−130.朝倉書店.