石狩市浜益の黄金山
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マッターホルンのような山容

石狩市浜益の黄金山

国道231号浜益橋付近から見た黄金山:北斎が描く富士山に似た山容を示す。登山道は左手斜面に付けられている。背後は,群別岳などの増毛山地の山々である。【写真: 石井 正之】
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国道451号御料地付近から見た黄金山:黄金山は,西北西−東南東方向に長方形をしている。北東斜面と南東斜面が見えるこの位置では,天に突き刺さるような山容を示す。【写真: 石井 正之】
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前ピークから見た黄金山の頂上:手前の露頭は左(北東)に10゚ほどで傾斜した安山岩の柱状節理である。この節理に直交する方向(N70゚W)が,この岩脈の長軸方向である。頂上の幅は数mで両側は約200mの断崖となっている。【写真: 石井 正之】
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黄金山・前ピークの安山岩:斜長石と輝石の斑晶が目立つ灰黒色の安山岩で,基質はガラス質である。【写真: 石井 正之】
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国道231号の浜益橋付近から山の方を見ると富士山のような山が見える。浜益富士と呼ばれる黄金山である。この山の標高350m付近から上は,後期中新世から鮮新世にかけて貫入してきた斑れい岩質の岩石でできている。黄金山山麓の北西側半分は於札内層と呼ばれる新第三紀中新世の“硬質頁岩”で,南東側は,より古い逆川層の礫岩・砂岩・砂岩泥岩互層である。これらの地層は北西に10度前後で傾斜している。

浜益市街から見ると,やや斜面の急な富士山であるが,北東斜面が見える国道451号の御料地付近から見るとマッターホルンのような鋭い山容を示す。

この山を構成する岩石は,地質図Naviでは斑れい岩質の深成岩,「浜益図幅」では両輝石安山岩としている。同様の岩石をシームレス地質図で探すと,北は増毛町暑寒別川下流の左岸,暑寒別川上流の浜益岳北東,黄金山西方の丸山,浜益川支流の吉岡沢川右岸,新送毛トンネル東方の尾根(天狗山),浜益川支流の逆川中流右岸および上流に転々と分布している。これらは,逆川上流を除いて,いずれもコブ状の山体を形成している。時代は700万〜170万年前とされていて,後期中新世〜前期更新世である。ほぼ同じ時代に暑寒別岳を中心とする火山活動があり,石狩川を挟んだ東方ではイルムケップ山を中心とする火山が活動していた。

【執筆者:石井 正之】

既存の指定など

暑寒別天売焼尻国定公園(環境省:1990年8月1日指定)

アイヌ文化に関連する名勝(文化庁:2000年7月指定)

所在地

石狩市 浜益区実田

リンク

石狩市生活便利帖>観る>黄金山

参考文献

中川光弘・後藤芳彦・新井計雄・和田恵治・板谷徹丸,1993,中部北海道,滝川地域の中新世−鮮新世玄武岩のK-Ar年代と主成分化学組成:東北日本弧−千島弧,島弧会合部の玄武岩単成火山群.岩鉱,390−401.
秦 光男・山口昇一,1957,5万分の1地質図幅「浜益」および同説明書。地質調査所.