市街に接する古い火山
札幌の三角山・円山
三角山は藻岩山から続く一連の山の最西北端に位置している.標高は311.1m である. かって,南東斜面は採石場となっていて「そっくり中身の見える山」として地質案内書に紹介された.この採石場跡は現在も山体の中身を見せている.この山を構成する地質は両輝石安山岩で,淡灰色を呈し細粒の輝石と斜長石が認められる.二つある採石場跡の左側の露頭の左横に西野層の泥質岩との接触面がある.
円山は標高225.0m で全体は北西-南東方向に延びた形をして北西斜面の傾斜が緩い.構成する地質は輝石安山岩で頂上付近は変質と風化により淡桃色を呈し脆い.三角点石柱のすぐ脇に幅20cm ほど,N40W,80NE の走向・傾斜の変質帯がある.麓の大師堂からやや上流斜面には粗粒で硬質な安山岩の露頭がある.また,麓の大師堂脇を流れる円山川の右岸には山麓緩斜面堆積物の斜面が分布している.
既存の指定など
円山・藻岩鳥獣保護区,天然記念物円山原始林(円山)
所在地
札幌市 西区山の手(三角山)
札幌市 中央区円山(円山)
参考文献
地学団体研究会札幌支部(1984)地質案内 札幌の自然を歩く 第2版.87-87.北海道大学図書刊行会.
小山内 熙,杉本良也,北川芳男(1956)5万分の1地質図幅および説明書「札幌」.17-18.北海道地下資源調査所.
札幌市教育委員会編(1996)さっぽろ文庫77 地形と地質.108-109.北海道新聞社.
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