オンネトー湯の滝マンガン酸化物生成地
オンネトー湯の滝
オンネトーは、雌阿寒岳の噴火によって螺湾川の流れがせき止められてできた堰止湖です。オンネトー湯の滝は、オンネトーの南南東方向に2.0kmほど離れたところに位置し、温泉水が滝になって流下しているところから名付けられたようです。
湯の滝では、現在においても微生物(マンガン酸化細菌、糸状藻類)の働きによってマンガンイオン(Mn2+)を含む温泉水から酸化マンガン鉱物が生成され、沈着成長を続けている世界唯一の「生きているマンガン鉱床」であることが解明されています。この現象は、「過去の地球で形成されたマンガン鉱床」や「海底のマンガン団塊、クラストや熱水鉱床」などの形成機構を解明する上で、重要な手がかりになると考えられています。なお、この湯の滝は、「オンネトー湯の滝マンガン酸化物生成地」として国の天然記念物に指定されています。
※以前は湯の滝の滝つぼが露天風呂として開放されていましたが、上記の貴重な環境を保護するために現在は入浴禁止になっています。
既存の指定など
国指定天然記念物
日本の地質百選
所在地
足寄町
参考文献
北海道開発庁(1964)5万分の1地質図幅「上足寄(釧路-6)」および同説明書.57p.
足寄町教育委員会(1999) 足寄町オンネトー湯の滝マンガン生成緊急調査報告書