1500万年前の海底の痕を見る
判官館の新第三系とソールマーク
新冠市街の西方,新冠川河口の判官館海岸には,突き立った高い崖がある(写真1).この崖を正面から見ると,ほぼ垂直な地層からできていることが分かる.この地層は『元神部(もとかんべ)層』と呼ばれ,1500~1600万年前(新第三紀中新世)に堆積した海成層である.地層を作っているのは,おもに砂岩で,礫岩~礫質砂岩も見られる.これらは癒着した粗粒タービダイト互層で,向かって左(南西)側が上位である.
露頭の下部には,小さな波蝕洞があり,その中に入って地層の底面を見ると,見事なソールマークが観察できる(写真2).ソールマークは大部分がフルートキャストで,その古流向が判断できる.
所在地
新冠町 判官館海岸
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参考文献
松野久也・山口昇一,1958,5万分の1地質図幅および同説明書『静内』,北海道開発庁,36p.