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日高山脈の生い立ちの謎を秘める

えりも岬の古第三系

太平洋に没していく襟裳岬.岬の急崖や小島・岩礁などはすべて襟裳層堆積岩からなる.【写真: 川村信人】
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襟裳岬下の襟裳層礫岩・シルト岩互層.礫岩は全体的な弱い正級化構造と下部での逆級化構造を示す.礫質重力流堆積物と考えられるが,堆積環境などの詳細は不明.【写真: 川村信人】
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礫岩のクローズアップ.花崗岩質岩の大礫が特徴的で,その円磨度は低い.その他の礫は,大部分が付加体泥岩(黒色)と緑色岩類(薄緑色).赤色チャート礫を少量含む.【写真: 川村信人】
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襟裳(えりも)岬は,大地形的には日高山脈が太平洋に没する場所(写真1)であるが,日高山脈を本質的に構成する岩石(日高変成火成岩類)は庶野以南にはWNW-ESE方向の断層で切断されて分布せず,地質学的には日高山脈の南端とは言えない.

襟裳岬周辺に分布するのは,砂岩・泥岩・礫岩の互層からなる襟裳層である.襟裳層はその岩相などから新第三系中新統川端層に長く対比されてきたが,栗田・楠(1997)によって古第三紀の渦鞭毛藻化石が発見され,より古い地層(漸新統)であることが明らかとなった.

襟裳岬遊歩道から岬の海岸に降りると,見事な礫岩・砂岩互層が露出している(写真2).この礫岩は特徴的に花崗岩質岩の大礫を多量に含み(写真3),襟裳層の古第三紀年代を考慮すると,その起源は日高山脈のテクトニクスを考える上で興味深い.

【執筆者:川村信人】

所在地

えりも町 襟裳岬

参考文献

栗田裕司・楠 香織,1997,北海道中央部,襟裳層の渦鞭毛藻化石年代(後期漸新世)とその意義.地質学雑誌,103, 1179-1182.