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札幌市街から見える山

三角の山頂を持つ札幌岳

山頂から南西を望む：手前の岩が札幌岳溶岩．中央やや右に半分雲に隠れた恵庭岳が見える．【写真: 石井正之】
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山頂の輝石安山岩：節理間隔は50cm程度で方状節理に近い．不規則な亀裂が開口している．【写真: 石井正之】
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山頂溶岩の顔つき：輝石，斜長石が目立つ．【写真: 石井正之】
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自破砕状安山岩：標高1000m付近の直登登山道に露出している．基質はレンガ色で礫は黒灰色を呈するものがある．【写真: 石井正之】
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　札幌岳は札幌市街からよく見える山で，三角形の山頂と深く切れ込んだ谷が特徴である．標高は1293.0m で，それほど高くないが標高1,200mを過ぎたあたりからハイマツが目立つようになる．

　札幌岳の山頂には輝石安山岩が露出している．灰色で輝石と斜長石の斑晶が目立つ安山岩である．

　一方，標高1100m の平坦面に出る手前の登山道には黒色の礫を含み全体としてはレンガ色の自破砕状安山岩が見られる．この自破砕状安山岩と山頂の安山岩は岩相が異なる．

　この安山岩の年代は約120万年前，空沼岳の山頂溶岩は約80万年前とされている（渡辺，1993．元文献は Watanabe,1990）．

【執筆者：石井正之】

所在地

札幌市南区定山渓および豊滝

参考文献

土井繁雄（1953）5万分の1地質図幅説明書定山渓．北海道開発庁．

渡辺寧（1993）岩脈・火口配列に基づく西南北海道北部の新生代後期の応力場．地質学雑誌，第99巻，第2号，105-116．

岡部賢二（1973）噴出岩の底面測定に基づく定山渓グリーンタフ地域の火山岩類に関する考察．地質調査所月報，第24巻，第11号，13-20．