周囲に岩壁をめぐらせた独特の姿
札幌郊外の神威岳
| 国道230号から見た神威岳:平らな山頂とそれを取り巻く岩壁が印象的で西部劇に出てくる岩峰のような形をしている.【写真: 石井 正之】 次の写真 |
| 巖望台から見た山頂:頂上を取り巻く岩壁は火山角礫岩である.その下に白っぽく見える露頭は砂岩・礫岩の互層で樹木が生育していない.雪崩跡とも考えられるが,比較的最近岩盤崩落があったためとも考えられる.【写真: 石井 正之】 前の写真 次の写真 |
| 山頂を構成する火山角礫岩:安山岩礫の集合で鉛直の壁を形成する.明瞭な周辺急冷相を持った礫は見られない.登山道の頂上直下の岩場にも同様の岩石が見られる.【写真: 石井 正之】 前の写真 次の写真 |
| 神威岳から望む百松沢山南峰(1043m):図幅では,この山を構成するのは輝石安山岩からなる百松沢溶岩である.百松沢山は夏道が無く,積雪期に手稲区福井の沢から登るのが一般的である.【写真: 石井 正之】 前の写真 |
札幌から定山渓に向かう国道230号の豊滝の道路情報館を過ぎた下り坂で正面に見える山である.標高は983mと高くはないがその形は魅力的である.
頂上を取り巻く岩壁は火山角礫岩類で構成されていて,登山道の途中の巖望台からはほぼ水平な堆積構造が見られる.登山道は岩壁を回り込むようにして頂上に続いている.頂上直下の岩場で火山角礫岩の露頭を見ることが出来る.
岩壁の下部に一見,採石跡かと見間違える平滑な斜面があるが,この斜面は砂岩・礫岩を主体とする堆積岩類である.この山の独特の形は,下部の砂岩・礫岩層がやや緩い斜面を形成し,上部の火山角礫岩類が岩壁を形成するという地質のコントラストによって作られたものである.
【執筆者:石井正之】
所在地
札幌市 南区小金湯および定山渓
参考文献
杉本良也(1953)5万分の1図幅および説明書「銭函」.北海道開発庁.