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謎の生態の解明に迫る全身骨格化石

枝幸町歌登産デスモスチルス

デスモスチルス全身骨格復元模型(歌登ふるさと館所蔵:常設展示中).【写真: 垣原康之】
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デスモスチルス産状模型(歌登ふるさと館所蔵:常設展示中).【写真: 垣原康之】
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寿橋脇の林道のタチカラウシナイ層.ここでは砂質シルト岩を主体とし,わずかに生痕化石や貝化石の破片などがみられる.【写真: 垣原康之】
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寿橋脇の「デスモスチルス発見の経緯」を記した看板.【写真: 垣原康之】
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道道120号線を歌登市街に向かって北上すると徳志別川を渡る寿橋の左手に白い看板が立っています.この看板には,寿橋から約150m下流の地点におけるデスモスチルスの全身化石(歌登第1標本)の発見の経緯が記されています.現在は川の流路が変化したために採取地点を観察することはできませんが,寿橋の上流右手の林道を進むと道路右手に大きな露頭が見られます.この地層がデスモスチルスの産出層と同じ中期中新世タチカラウシナイ層です.

デスモスチルス属を含む「束柱目(Desmostylia)」は2800万年前頃に現れ,1100万年前頃に絶滅しました.また束柱目の化石が発見される場所は日本,サハリン,カムチャッカ,北アメリカの太平洋岸に限られています.なおデスモスチルス属の全身化石は,サハリンの「毛屯(けとん)標本」と「歌登第1標本」の2例しかなく,これらは極めて貴重な資料です.

デスモスチルスは,複数の「のり巻き」を束ねたような独特の臼歯を持ち,またほ乳類でありながら,ワニやカエルなどと同様に足が側方へ張り出した特異な形態を持ちます.このような歯・骨格は現世の動物には見られない形態であるため,何を食べ,どのような生活をしていたかについては不明な点が多く残されています.ただ産出する地層は必ず浅海〜陸域の地層であるため,海岸沿いで暮らす水陸両棲であったと考えられています.

この貴重な「デスモスチルス(歌登第1標本)」の骨格復元模型および産状模型は,現在,歌登ふるさと館に常設展示されています.この他,足寄動物化石博物館,滝川市美術館,沼田町化石館,北海道開拓記念館などにも同標本の骨格復元模型が展示されています.

【執筆者:垣原康之】

所在地

枝幸町 歌登上徳志別

枝幸町 歌登辺毛内(歌登ふるさと館)

リンク

枝幸町

足寄動物化石博物館

沼田町化石館

北海道開拓記念館

参考文献

産業技術総合研究所 地質標本館(2007)デスモスチルス歌登標本 世界一の全身化石発見から30年.12p.
山口昇一ほか(1981)北海道歌登町産Desmostylusの発掘と復元.地質調査所月報,32,527-543.
道北地方地学懇話会 編(1995)道北の自然を歩く.北海道大学図書刊行会,269p.

 

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