マグマ混合の産物
和寒 三笠山自然公園
和寒町民の憩いの場所「三笠山自然公園」は高マグネシア安山岩と呼ばれる岩石からできている.世界的にも有名な高マグネシア安山岩には「サヌカイト(香川県小豆島)」や「ボニナイト(東京都伊豆諸島父島)」が知られている.これらは高い含水量のマントルからの直接融解により形成されたものと考えられている.しかし,三笠山の高マグネシア安山岩はこれらとは成因が異なる.低いSi含有量かつ高いMg含有量を有する玄武岩質マグマと高いSi含有量かつ低いMg含有量を有するデイサイトマグマが,地下で混合したために形成されたものとされる.
三笠山の山頂部は,昭和37年から安山岩の採石が行われたが,埋蔵量が少なく数年で終掘した.この跡地は山頂に水を湛える池として町民の癒しの場となっている.池の周囲の壁には,黒色の塊状~一部破砕状の安山岩と黄灰色の変質凝灰岩が明瞭なコントラストで接している産状を確認できる.
所在地
和寒町 三笠山
リンク
参考文献
Wada,K. & Goto,Y.(1993)High- Mg andesite produce by mixing of primitive basalt magmas, from Mikasayama, northern Hokkaido, Japan. J.Miner.Petr.Econ.Geol., 88, 157-161.
北海道立地下資源調査所(1977)5万分の1地質図幅「剣渕(旭川-40)」および同説明書.30p.
北海道上川郡和寒町(1975)和寒町史.769p.
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