紫の花畑に吹く地下からの風
温根湯の風穴
北見市留辺蘂町(旧 留辺蘂町 2006年3月に北見市と合併)温根湯には「温根湯つつじ公園」がある.4〜5月頃,公園の一角にある「つつじ山」は紫色に染まる.約28万本ものエゾムラサキツツジが一斉に花を開くためだ.この「つつじ山」は北海道指定天然記念物(温根湯エゾムラサキツツジ群落)に指定されている.このため立入は,つつじの開花時期に制限されている(詳細は北見市Webサイト).
エゾムラサキツツジ(Rhododendron dauricum)は北海道の他,朝鮮半島北部,中国東北部から東シベリアに分布している.おもに山地の岩場などに生える.町に近い裏山といったイメージの「つつじ山」ではあるが,実は白色の流紋岩礫が多数転がっている.「つつじ山」はこれらの流紋岩礫が積層し,その上に成長した土壌にエゾムラサキツツジが自生している岩場らしい.
道北の積み重なった礫...と言えば風穴? 実は「つつじ山」にも風穴が存在し「温根湯の風穴」とよばれる.地元の方の話だと結構な冷気を感じるらしい.しかし掲載写真を撮影した日は5月半ばなのに雪のちらつく寒い日であったために,残念ながら冷気は出ていなかった.
既存の指定など
温根湯エゾムラサキツツジ群落(北海道指定天然記念物)
所在地
北見市 留辺蘂町字花丘
リンク
参考文献
北海道開発庁(1965)5万分の1地質図幅「留辺蘂(網走-46)」および同説明書.46p.
関連するジオサイト