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安山岩質凝灰角礫岩がつくる犬神

積丹半島のセタカムイ岩

主人の帰りを待つセタカムイ.【写真: 垣原康之】
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手前の崖からセタカムイまで地層がつながるように見える.【写真: 垣原康之】
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層理・ラミナの発達する安山岩質凝灰角礫岩層.礫の割合が地層によって異なる.【写真: 垣原康之】
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積丹半島を周回する国道229号線を余市町から古平町へ入ってすぐの海岸に「セタカムイの岩」が佇んでいる.アイヌの伝説では,漁から戻ることの無かった若者の飼い犬の化身とされる.海に向かっておすわりをして主人をまっているのだろうか.この悲しい伝説は「セタカムイ道路防災記念公園」に建てられた看板に記されている.「セタ・カムイ」とは「犬の神様」という意味のアイヌ語である.なお防災公園から先は立入禁止となっている.

セタカムイの岩と道路側の崖は途切れているが,いずれも層理のよく発達した安山岩質凝灰角礫岩である.道路側の崖の中央部には,やや白色を帯びた礫の少ないラミナの発達する部分があるが,セタカムイの「肩」の部分にあたるのだろうか,同様に礫の少ない部分がある.層理面およびラミナの方向もよく似ている.「セタカムイ」と陸側の崖の間が浸食もしくは崩壊のため欠落したものと思われる.

付近にも同様の産状を示す地層が広く分布し,豊浜累層と呼ばれる.これらは水冷破砕を受けた安山岩質岩塊および岩片から構成される.K-Ar年代測定および花粉分析から後期中新世の水中火山活動に伴うものとされる.セタカムイでは地層が整然と累重するように見えるが,他の地区では下位層を削り込んだり,側方へ層厚が急変することも多く,豊浜累層内部の層序を把握することは難しい.

【執筆者:垣原康之】

所在地

古平町 沖町セタカムイ

参考文献

通産省資源エネルギー庁(1985)昭和59年度 広域調査報告所「積丹地域」.156p.

 

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