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下部地殻からの手紙を運ぶ流紋岩

中頓別町敏音知岳の塊状流紋岩

右手の尖り山頂部が敏音知岳,左手の平坦な山頂部が松音知岳.アイヌ語で,“ピンネシリ”は「男の山」,“マッネシリ”は「女の山」という意味である.【写真: 垣原康之】
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敏音知岳山頂.【写真: 垣原康之】
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敏音知岳流紋岩中に含まれるグラニュライト相変成岩包有物.主に定向配列する茶褐色黒雲母と菫青石(粘土化のため黄色,一部残存)からなる.この他,ざくろ石とスピネルが認められる.【写真: 垣原康之】
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中頓別町の中央にそびえる敏音知岳(ピンネシリ:704m),これに寄り添う松音知岳(マツネシリ:531m)は白亜系蝦夷層群中に貫入した中新世流紋岩ドームである.道北地方に分布する火山岩は14Ma以降に活動したものが多いが,敏音知岳流紋岩は17.1Maとやや古い時期の活動とされる.この岩石は流理構造を示さない塊状岩体であり,破砕された火砕岩は転石にも認められない.SiO2含有量は約70wt%である.

敏音知岳流紋岩を構成する斑晶鉱物は主に石英・長石・黒雲母であるが,まれに斜方輝石を含むことがある.黒雲母は褐色を呈し,一部には変形した結晶が認められることがある.本流紋岩からはグラニュライト相変成岩包有物が報告されている.鉱物組み合わせは,黒雲母+長石+菫青石+ざくろ石+スピネルである.黒雲母-ざくろ石温度計から約750℃,菫青石+ざくろ石+スピネルの共存状態から約0.5GPaが推定されている.もし,この地温勾配が獲得されていれば下部地殻は部分溶融していた可能性があり,本流紋岩もこの下部地殻の部分溶融の産物の可能性がある.

【執筆者:垣原康之】

所在地

中頓別町 敏音知

リンク

中頓別町

参考文献

後藤芳彦・中川光弘・和田恵治(1995)北海道北部の中新世火山活動の活動場:K-Ar年代と主成分化学組成からの推定.岩鉱,90.
垣原康之(1996)北海道北部中新世敏音知岳流紋岩中のグラニュライト相変成岩包有物(演旨).日本地質学会第103年学術大会講演要旨,p265.
地質調査所(1959)5万分の1地質図幅「敏音知(旭川-第20号)」および同説明書.
北海道開発庁(1963)5万分の1地質図幅「中頓別(旭川-第21号)」および同説明書.

 

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