いかにも天狗が住みそうな山容
銭函天狗山
銭函天狗山は標高536.7m の低山であるがその東斜面は柱状節理が発達し遠くからでも目立つ姿をしている.
銭函からの登山道は銭天山荘の前を通り沢の中を昇っていく.銭天山荘を過ぎた沢の右岸には淡青灰色の火山角礫岩が見られる.図幅では表示されていないが,張碓層群の烏帽子岳安山岩質集塊岩層に相当する地層であろう.
この沢は平均傾斜7°ほどで,土石流堆積物で構成されていると考えられる.
沢から離れ尾根に取り付くと急登が続くが,この途中にロープが張られている箇所がある.ここに露出している岩石は,石英安山岩の自破砕状熔岩である.黒い角閃石と白濁した長石のほかに,ガラスのように透明な石英の粒が見え,全体に黄白色を呈している.
肩と呼ばれる見晴らしのきく尾根に出ると頂上の柱状節理が迫ってくる.この付近から頂上までは青灰色の輝石安山岩で,黒色の輝石と白色の長石の結晶が認められる.
所在地
小樽市 銭函
参考文献
杉本良也(1953)5万分の1地質図幅および説明書「銭函」.北海道開発庁.
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