鹿の子沢の入口
置戸 鹿の子沢 虹の滝
置戸町鹿の子沢の駐車場に車を停めて降りると,滝の音が聞こえる.遊歩道入口にかかる橋の上から上流をみると「虹の滝」である.下から眺めていたのではわかりにくいが,上下2段の滝である.「虹の滝」を構成する岩石は安山岩岩脈である.この岩脈は堆積岩類を主体とするトコロ川層中に貫入している.軟質なトコロ川層の分布範囲である「虹の滝」から上流の「雲突岩」の根元付近までは平坦な地形となっている.ここでは岩脈が見せる滝の岩肌のゴツゴツした感じを覚えておこう.遊歩道を進むと現れる「雲突岩」を始めとする絶壁の表面がなめらかな感じに思えるであろう.
「虹の滝」にみられるような小規模な安山岩岩脈は,鹿の子沢だけでなく,周辺の地域に複数貫入しており,その堅牢さから小規模な山や尾根を形成している.これらの岩脈の1つが第四紀中山溶岩(K-Ar:1.9Ma)に貫入していることから,貫入時期はそれ以降と考えられる.
既存の指定など
森の巨人たち百選(林野庁)
所在地
置戸町 常元
リンク
参考文献
長谷川 潔,渡辺 順 (1964) 5万分の1地質図幅「常元(網走-56)」および同説明書. 北海道開発庁, 28p.
神保 啓,周藤 賢治,板谷 徹丸 (1998) 北部北海道,置戸西方に産する第三紀火山岩のK-Ar年代と全岩化学組成. 日本地質学会第105年学術大会講演要旨集, 165.
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