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波の作用と地殻変動がつくった地形

礼文島北部の海成段丘

礼文島北西部,スコトン岬の海成段丘.写真手前は周氷河作用により丸みを帯びた尾根,写真中央奥の平坦面が海成段丘面であり,最終間氷期の高海面期(約12.5万年前)に形成されたと考えられている.鮑古丹(あわびこたん)付近から撮影.【写真: 中司 昇】
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礼文島北東部,金田ノ岬の海成段丘.写真手前から,久種湖,船泊の市街,船泊湾,金田ノ岬.金田ノ岬には複数段の海成段丘が見られる.久種湖(くしゅこ)西岸の展望台から撮影.【写真: 木幡紀彦】
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【写真: 】
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礼文島北部の船泊湾から東西を眺めると,東と西それぞれに,まるでツノのように北へ向かって突き出した岬がある.西はスコトン岬,東は金田ノ岬である.礼文島の海成段丘は,それら岬でよく見られる.

海成段丘は,海の作用により平坦となった海底面が,隆起もしくは海面の低下によって陸地となり形成される.多くの場合,海岸付近に分布する階段状の地形として知ることができる.海成段丘がかつての海底であり,それが現在,陸上に分布するということは,礼文島が隆起したか海水面が低下したことを示す.礼文島に分布する海成段丘のうち,標高20~30m程度の低い方の段丘は,約12.5万年前に形成されたとされている.一方,約12.5万年前の海水面は,現在よりも世界的に5~6 m程度高かったと推定されている.すなわち,礼文島の海成段丘は,海水面の低下と島の隆起があわさった結果として形成されたと考えられる.

礼文島の海成段丘は,北部のスコトン岬,トド島,金田ノ岬とそれに続く島の北東部,および島南部の知床周辺に分布する.そこには,火山岩脈や白亜紀の固い地層が分布しており,日本海を吹き抜ける季節風や強い波の侵食から海成段丘を守ってきたのであろう.

【執筆者:新里忠史】

既存の指定など

利尻礼文サロベツ国立公園

所在地

礼文町 船泊村鮑古丹(あわびこたん)

礼文町 船泊村弁財泊(べんざいどまり)、幌泊(ほろどまり)

リンク

日本最北の島 礼文島(礼文町公式ホームページ)

あつもん 花の島礼文島(礼文町観光協会ホームページ

参考文献

瀬川秀良(1974):礼文島.瀬川秀良著「日本地形誌 北海道地方」,朝倉書店,208-210.
鈴木隆介(2000):段丘.鈴木隆介著「建設技術者のための地形図読図入門 第3巻 段丘・丘陵・山地」,古今書院,555-650.
植木岳雪(2000):利尻島・礼文島の海成段丘.利尻研究,第19巻,67-78.
三浦英樹(2003):礼文島-風と海と川が織りなす最北の島のかたち.小疇尚・野上道男・小野有五・平川一臣編「日本の地形2 北海道」,東京大学出版会,225-229.

 

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